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フクロ歯科医院ラブアンドティース
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インプラントと糖尿病
『インプラントと糖尿病』
こんにちは、フクロ歯科院の袋です。
糖尿病は喫煙と並んで、通常の歯周病の治療においてもなかなか治りにくい疾患とされています。
通常の処置をしても、なかなか粘膜が治らないため、皆さん、困ってらっしゃる方も多いですし、
インプラントをする際にも、我々もそこについて配慮をしなければならないことです。
今日のビデオを通して、糖尿病の値がどのぐらいの意味を持つのか
それによって、手術を実際上で、受けてもいいのか
そのようなことについて、皆様が分かってきていただければいいと思いますし、
そのために我々がどのようなことを考え、またどのような処置をしていこうとしているのか
そこについてもお話ができればいいかなあと思っております。
それでは、始めたいと思います。
インプラント治療と糖尿病です。
糖尿病とはインスリンの絶対的あるいは相対的な不足によって引き起こされる代謝異常と定義されています。
持続的な高血圧、〔高血糖値(300mg/dl以上)〕を呈し、微小血管や動脈硬化性障害をきたす疾患です。
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糖尿病は大きく1型と2型に分けられますが、これは調整機能の破綻の様式の違いと言われています。
1型の糖尿病は膵臓のβ細胞が何らかの理由によって破壊され、インスリンが枯渇しているもの。
2型は血中にインスリンは存在するものの、肥満などの原因でインスリンの動きが悪くなるか、
分泌が減少し、血糖値の調整がうまくいかないケースであります。
1型は主に遺伝病が多いとされています。
糖尿病治療薬との関係としては、経口の糖尿病治療薬として、
スルホニイル尿素系製剤というのが〔最も〕多く使われています。
これは、作用時間が長いため、歯科治療時に服用時間、作用量などを確認して、
低血糖症状が発現しないように、歯医者の治療のときには注意する必要があります。
またインスリン製剤を投与されている方は、
通常一日に一回朝食前、または二回朝・夕食前に投与されるとされています。
これは副作用として、解糖の促進、糖新生抑制による低血糖症状。
また、カリウムを細胞内に取り込む〔送り込む〕作用による、低カリウム血症というのを生じる〔呈する〕ことがあります。
ここで、グリコヘモグロビンについて解説しておきます。
特定時刻の血糖値だけで血糖の調整の状態を判断は正確ではないとされ、
グリコヘモグロビン、いわゆるHbA1cというのを計測するというのが、糖尿病の場合には通常になってきています。
ブドウ糖が赤血球内のヘモグロビンと結合されている状態を示していますので、
赤血球平均寿命の約90日間に及ぶ血糖値の調整状態がわかるとされています。
HBA1Cは計算すると、血糖値×30-60で求められるとされています。
逆に、HBA1Cの値から血糖値を求めようとすると、
(HBA1C+60)÷30で求められます。
つまり、グリコヘモグロビンがHBA1Cが6%であれば血糖値は120ぐらい
いわゆるこの状態はもう完全に良い状態です。
7%以下でも、大体まあ良いでしょう。
7から9%の場合は、まあちょっと状態的には問題がありそうです。
9%以上であれば、かなり問題がありますので、処置は控えめにされたほうがいいかと思います。
当院にも置いてありますが、HBA1Cの簡易測定装置が今は普及してきています。
このシロナのDCAバンテージという機械を使えば、
わずか7分でHBA1Cは測定が可能です。
糖尿病のコントロールとしては
空腹時血糖値140~160mg/dl以下。
食後の一番大きくなる値でも〔頂値〕200mg/dl以下にすることが原則とされています。
一日の尿糖量は10g以下がベストです。
糖尿病性ケトアシドーシスがないこと。
抵血糖症状を認めないこと。
HBA1C量が9%以下。
標準体重を維持し、食療法を効果的に行っている等が、糖尿病のコントロール状態とされています。
糖尿病性ケトアシドーシスというのは、インスリンの絶対的欠乏によってもたらされる体内が一定に酸性に
〔(体内のPhが一定に保てず)〕傾く状態です。
ほとんどの発症者は1型糖尿病であるとされ、
数日間から数時間で、多尿、嘔吐、腹痛などの症状が現れ、
進行すると昏睡や意識障害を起こし、死亡する場合もある。
歯科治療における注意としては、感染がしやすいこと。
〔通常問題となるのは、易感染性〕、
創傷治癒がなかなか行われないこと〔創傷治癒遅延〕、
歯科診察ストレスによる血糖値の変化、
歯科疾患による摂食障害によるコントロール不良などが挙げられます。
ストレスの過大は糖尿病自体を悪化させるだけでなく、
糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害などの
いわゆる三大合併の発症、増悪などの危険性もありますので、
ストレスをあまりかけないように鎮静などを行う必要があると思われます。
感染しやすいというのが、一番の問題だと思われますが、
観血的処置を行う前から抗菌薬の投与を計画的に行う必要があります。
また感染症を併発した場合は、血糖値のコントロールが不良になるため
感染症の程度を見極めて、糖尿病を見ている内科医との連携を
歯医者側としたら、密にしなければなりません。
ここで、糖尿病患者様へインプラントの際に我々が行っている
マネージメントです。
朝食は正常に取ってきてください。
インシュリン投与されているようでしたら、それも正常に行ってください。
治療のお約束は、できるだけ朝早い時間にしましょう。
また、できる限り治療時間自体も短めにするようにしています。
また、正常にお昼が取れるようにすること。
診療室内にオレンジジュースなどを用意しておいて、
低血糖の状態にならないように注意しています。